第1巻 神通霊能顕証傳録


照眞秘流霊術書の各巻は神道と密教とが混在されている内容となっております。

本書の内容は大きく分けて3項に分かれます。
 1)神仙通霊教義
 2)神通霊能行事
 3)照眞秘流修験道信条書
以上の3項です。

以下其々に就きまして解説を致します。

1)神仙通霊教義篇
■目次■
第一章 神通霊能力を得る秘訣
第二章 修行要諦と心霊の威力
第三章 禁厭法の起源と密教傳来の概要
第四章 印喫及び呪文の深義を詳解
第五章 禁厭呪詛法の原理
第六章 禁厭祈祷と顕幽通霊の秘事
第七章 三密加持法と応験の強弱
第八章 霊符守札の調製秘事 
第九章 開眼加持法と霊符霊鑑定法

まず、神仙通力を得るの秘訣は生まれたばかりの赤子が如きの天真爛漫たる穢れも欲も無い清浄心になること、是れが絶対不可欠であると説かれています。
交霊法の要諦は、通霊観念法の如何によるものであります。本書では其の教導方法を順序正しく詳述しており、殆どの方が霊妙自在の神域に透徹することが出来ます。其れも深い山に別け入ったりすることなく日常の業務の余暇を選んで自宅で修行出来る神法の傳授がされています。
此れこそが「通霊法」であり、本書では正しき神人交霊法を傳授しています。

曰く『神佛の威力を笠とし、行者の強大なる念力を杖とし、秘法を鍵として始めて驚天動地の神変不思議なる霊験が示現するものである。云々』

また巷に溢れています禁厭呪詛法が本物であるか否かを鑑別すると云う極秘事も記されております。本物の禁厭呪詛法とは術者が施法せる秘法と其の霊力との威徳が、被術者の精神に感応して、霊理的に特殊の信念を誘導発現せしめ得るが如き類であると云います。
之を本書では「神仙霊界よりの発動による禁厭呪詛法」と称しています。此の方法に使用する深秘法術が、現界の人間達が勝手に自作したものではなく、何れも神仙霊界よりもたらされた天授神傳の霊法であると云えましょう。
(此の事を紫龍先生は天機漏洩で罪に値すると云っています。)
即ち、本書の禁厭呪詛方法は神仙霊界と現界とを直結する方法なのであります。

以上の禁厭呪詛方法を実践するには
「肉体の鍛錬・精神の鍛錬」の両方が必要であると説かれています。
本書では「三密の境地」が必要不可欠だとも説いています。
三密とは身密(印明)・口密(呪文)・意密(通霊観念)を示します。
又、霊符の書き方などこれ程懇切丁寧に書かれたものをわたしは見たことがありません。此の項を読めば必ず眼から鱗が落ちます。本書では霊符に魂を入れるために神佛両部秘法たる
「眞言秘密神佛両部・御入魂開眼加念誦儀軌」
の秘傳の行事詳細が記してあります。本法では幾つもの秘文、印明が必要であり、これこそ本書の白眉と言って宜しいでしょう。
其の中には秘中の極秘である、眞の九字の切り方が載っております。此の法を他書で見ることはないでしょう。之を見るだけでも本書の価値があります。
又、念のいったことに霊符に神佛が鎮まっているか否かを鑑別する方法までも記されております。これも他書では見る事の出来ないものでしょう。

2)神通霊能行事篇

 第一章 眞言三密と霊能の原動力
 第二章 座禅と静座呼吸法
 第三章 三密行事の深義と修行の心得
 第四章 神通霊能三密発現法の行事
 第五章 神通霊能強弱試験法
 第六章 三密行事と心身改造法

本法は陰的修行と陽的修行に分かれます。
前者は散漫分離せる精神を統一し、心奥深く潜在せる霊妙の能力を開発する法。
後者は印契・呪詛・観想の三密であり、此の三密を或る目的の事物に集中して、霊験威徳を体現する法。
照眞秘流の三密修行方法は、太古神傳の鏡の行事・剱の行事・玉の行事の三大神法に、眞言密教の陰陽両面の三密修行の秘奥を融合させ、其れを更に研鑽を重ねたものであります。
より簡素に云うと
「神道の鎮魂法行事」を眞髄とし「密教の眞言三密行事」を補助として大成せる特殊の修行秘法」
なのです。
此の方法には呼吸法も重要であり、それは「霊息吐納法」と称され、本書に詳述されております。この呼吸法は誰人たりとも容易に修行出来るものであります。但し長期間の修行が必須となります。
鎮魂の行事方法に就きまして詳説してあります。実習の注意や時刻、期間等にも記載が及んでおります。
神前での拍手の仕方にも秘傳があり、此れは数霊の神秘による拍手であります。此の記載なども他書では見ることが出来ない秘傳でありましょう。
鎮魂の行事を修するのですから、本書には
 『禊祓之祝詞』『大祓之祝詞』『六根清浄祓之祝詞』
等が載っております。尚、各々の祝詞等にはそれぞれ秘印が存在し、その秘印を結んだまま祝詞を霊誦するのです。特に『六根清浄祓之祝詞』の際に結印せる印は神傳の重大深秘のある特別の秘印であり、鎮魂法の極秘奥秘印であるとのことです。


3)照眞秘流修験道信条書
此れは全21条からなる信条書であり、照眞秘流を学ぶ者に取っての指針となるものです。
今日、此の全項目を厳守することは至難であることは云えます。
而しその困難に打ち勝ってこそ、真の神法を修験出来るのではないでしょうか?


余談ですが、本書は照眞秘流の第一巻でありながら、照眞秘流書の中で最初に書かれたものではありません。
何冊か出版された後に、本書が世に出たのです。これは本書の執筆に紫龍先生がご苦労されていたからだと思います。
本書を読めば分かりますが、かなりの神傳を漏らしてしまっておいでです。その辺に紫龍先生の苦悩や苦労があり、執筆に時間を要したのだと考えられるのです。

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