第3巻
太古神傳顕神憑霊神術図譜録 全


■目次■
第一章  顕神憑霊眞傳概論之段
第二章  神人交霊修験法心得之段
第三章  神傳霊感閃光即示神秘之段
第四章  神傳帰神顕憑神秘事之段
第五章  神明送霊之秘事及び閉巻之段

本書には日本古来の神憑り法を詳述した書籍です。
 照眞秘流書には珍しく密教色が希薄で、純粋に神仙道・古神道の記述となって居ります。
 本書の眞髄を述べれば
  「心正なれば正神に通じ、心邪なれば邪神に通ず」
の一言に集約されましょう。神憑りはまかり間違えば、単なる憑霊現象に陥る可能性が高く、その多くは正しい傳で行われていないため、邪霊や動物霊にもて遊ばれているに過ぎません。
 
 神仙傳と称しておりますが、本傳を正式に云いますと、紫龍先生の師、戸澤火竜道人氏の傳であると云われております。

 以下、文中より引用致します。
 「秘印の神秘的威力は結印にあるのではなく、結印せる秘印の運用と呪文の霊誦との呼吸合致の如何にあるのであります」云々
 
本書の眼目は第四章にあります。
其処には神と問答することの出来る神憑り法を述べています。
そして堂々たる「招請大神文」を霊誦することによって神憑りを行います。
此の大神文には照眞秘流の秘密が数多く隠されております。この神咒はとても長く頁数にして5頁にも渡るものです。此の神文中には、「照眞大明神」並びに「神変白狐王霊神」なる神々のご尊名を拝見することが出来ます。果たして照眞大明神が如何なる神の化身なのかは不明ではありますが、「照眞」と名の附く神であることは照眞秘流にとりまして極めて重要な神であることを示して居ます。またこの神咒には十種之神宝や天之数歌も出ており、又「秀津間(ほつま)の国」との記述もあります。これが現在伝わる「ほつまつたゑ」とどう関係するのかは不明です。
 何と云ってもこの神咒が誠に清々しい祝詞で、唱えるだけで気持ちが清らかな澄んだものになる稀有なものだと思います。この大神文を解読することが出来れば、眞の神に一歩近づくことが出来ましょう。而し解読は極めて困難であろうと思われます。神道の基本知識は勿論、古事記や日本書紀に精通し、尚且つ柔軟な解釈が求められるからです。
 
 又、神を呼び出すことだけでは片手落ちです。色々な御神告を戴いた後には衷心よりお礼を申し上げ、御帰納をして戴く必要があります。
 御帰納にはやはり呪文が存在し、感謝と御礼の気持ちを持ってお帰り戴くことが肝要なのです。御帰納の呪文はやはり祝詞調のやまと言葉で書かれており、神憑りにはなくてはならないことであります。
 また神憑りの場にて重要な役回りを演じる「審神者」の心得に就きましても詳細に説明されておりますので修験上、ご参考になると思います。

 本書は照眞秘流の本の中でも指折りの神法が載っている有り難い書籍であります。
 このような傳が埋もれてしまうのは日本の文化・伝統の断絶を意味しますので出来ましたら実際に修験して下さる方が現れる事を願うばかりです。


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