篤胤大人関係書解題

 
◎矢野玄道先生著作ご紹介◎  篤胤大人の直系・矢野玄道先生の著書をご紹介致します。
 
◎平田翁最後の御目的(星野輝興氏著述)◎

◎太初玄運魂魄分属図説◎

赤縣(モロコシ)太古傳 篤胤晩年の著であり、世界万国も皆、我が大国主・少彦名の二神協同運営により成ったとする主張を元に、「老子」「抱朴子」等を解題し独自の支那古代史を述べたもの。
 唐土の古籍を広く探り、彼の国に伝わる古伝を正しく修正し、彼の国も我が皇神たちの開闢し坐る事実を明らかにしたものとも云えます。
 本書は篤胤大人の道教への傾倒を明確にし、後期平田学の宗教化・神秘化を示すものとなっております。また本書は宣長翁への批判をあからさまにし、宣長の古道学は「老荘の自然の道は、皆作り事である」と述べ、老荘の道が神道とは異なっている点を間違いであると説いています。
即ち、篤胤は老子の自然を以て惟神と同じで、無為は自ずから然るに任せることであるから、全く異なるものでないとの批判である。
 この書では老子の下に孔子をランク付けし、儒教から老子を中心とする道教への傾倒を深める内容となっている。
 本書では上皇太一神は天之御中主神とし、天皇・地皇は伊邪那岐・伊邪那美の二神、人皇を健速須比之男神、太昊伏義を大国主神としている。天子は邇々芸命と考え、ここでも日本の神が中国に渡って泰皇・泰一なったと云っている。
それ以上に本書は玉襷を超えた篤胤大人独自の解釈が
際立っている名著と云えます。

三五本国考

三五とは即ち唐土の三皇五帝を指すものである。依って「三五本国考」とは三皇五帝は日本の神であると論及した書となる。
赤縣(モロコシ)州の所謂、三皇五帝と共に、皇国の神聖たちが、早く彼の国に渡りて蠢化の民を含養し、教導し給える由来を彼処の古書実録に照らして論じ著された書なり。
 即ち本書は漢土その他の古史研究上の著作であり、彼の国の三皇五帝の本国は日本の神々が中国統治の為に渡ったものだと強く主張している。


大扶桑国考

我が国が中国の古伝説に所謂、真神の霊域扶桑国であることを公証したものである。
本書は「山海経」などに東方大荒外に扶桑国と云う神真の霊域、君師の本国があり、三皇五帝は此処より出たとあり、そこでは天皇帝が治めている。


三輪山余考

蓬莱が我が古典に所謂、常世国、即ち大海神の神境であるのは勿論、方丈・えい州もまた我が国の海島であることを述べている。
三神山とは、蓬莱・えい州・方丈と云うこと、広く人に知られる通りであるが、是は唐土の東方海中にある由、彼の国の古書に見ゆれど、其れは何処かと云うことは詳しくは述べられていない。諸書に照らし、我が神典なる海神の宮なる由を詳しく考察し、国に神仙の幽境、海市山市などの事、また浦島古伝の事にも論及してある。
即ち本書は漢土古伝の研究の一つで、周泰の古書に出てくる方丈・えい州・蓬莱の三伝説を明らかにするため、常世国や海神の信仰を解明しようとして火々出見尊、浦島子の伝説までをも詮索したもので、神典に出てくる「オオワダツミ」のことを考えたものである。


天柱五嶽余論

漢土の五嶽を知っている人は多いが、世界の天柱五嶽を知っている人が皆無であることを考え、世の始めは皇天上帝の比を立てた由緒、また其の在処を考え、且つ其の上帝と称えるのは我が伊邪那岐神の御事なる由、また印度の古籍に所謂、須彌四洲の事を論じ、因みに印度の所謂大梵自在天王、帝釈天と称する神が如何なる神なのかまでに論及している。
 即ち本書は中国古典籍の中での天柱五嶽を研究し、天柱を伊邪那岐大神が天御柱・国御柱と見立てている。そして五嶽を世界的に見て、中嶽・崑崙山を筑紫に、東嶽・広桑山を国内に求め、南嶽をトルコ、北嶽・広野山をカリフォルニアに、西嶽を大西洋中のユニストル群島に求めている。


黄帝傳記

神仙の道が神道から出たものと述べ、其の神道と神仙説の附会説が展開されている。しかも本書は「仙境異聞」と関連づけられ、特に神仙思想が道教の大祖黄帝の伝記を中心に説明されている。その論拠が「山海経」「史記」「説文」「名山記」「後漢書」「十州記」「鬼谷子」「黄帝本紀」に求めている。
 本書は「大扶桑国考」の後編とも言える内容となっている。此れに関連して大国主神や少彦名命との関わりにも深く論及されており、我国で失われた古伝が漢土に残っていると展開している。中には印度・漢土ばかりではなく、西洋にも参考とすべき古伝あればこれを用いるとまで述べられている。このような姿勢は世界万国の元は一つであると云う考えに基づくもので、天地開闢・万物創生の神々の古説は当然一つであるべきであると云う考えに深く貫かれている。


HOME